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痛みが少ない

痛みの大きさは?

2004年にアメリカの獣医師達が発表した、開腹手術と腹腔鏡手術を比較した報告があります。ペインスコアという痛みの指標を元にして、避妊手術を受けた犬が手術後どのくらいの痛みを示したか両手術で比較されています。手術後から72時間にわたって痛みの数値を調べています。

手術直後から痛みのスコアは上昇し、6時間後に数値は一番高くなっています。つまり、痛みが一番強くなります。これは開腹手術でも内視鏡手術でも同様で、痛みとしては経過の中で一番でした。内視鏡手術では中程度とされた痛みのサインも、開腹手術では強い痛みとして示され、腹腔鏡手術の1.6倍の数値になっています。つまり、単純に比較しても、痛みの程度は内視鏡手術において少ないと考えられます。

痛みはどれぐらい続く?

開腹手術では手術後30時間でも強い痛みが持続しており、72時間経っても痛みのスコアはもとには戻っておらず、痛みが続いていることが示唆されています。一方で、腹腔鏡手術では24時間後には痛みは低下しており、72時間後には元の数値になっています。つまり、開腹手術では術後2日は強い痛みがあり、3日以降で少し改善するのに対し、内視鏡手術では1日は中程度の痛みがあるが、2日で軽い痛みに低下することがわかりました。

開腹手術での72時間後のスコアにおいても、内視鏡手術における術後6時間の一番高い数値とほぼ同程度であり、開腹手術では痛みが残っていたことを示唆しました。一方で内視鏡手術では術後24時間で軽い痛みに低下していました。