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腹腔鏡下避妊手術の合併症

手術の合併症

「腹腔鏡下避妊手術において大きな合併症が起こりうるのか?」これは我々獣医師も、ご家族も、とてもとても心配になる事柄です。これに関しては海外をはじめ、複数の施設から報告があります。まず結論からお伝えすると、多くの報告では大きな事故は起こらなかったとされています。

これを全て信じても良いのか考える必要はありますが、基本的な条件さえ揃えば不幸なトラブルを避けることは出来ると考えられています。それは適切なトレーニングと知識の習得です。

腹腔鏡下避妊手術のトラブルはどれくらい?

2014年にアメリカから出された報告では腹腔鏡下避妊手術において発生したトラブルを解析しています。複数の米国獣医外科医において行われた手術において、少ないながらにも軽度の合併症(トラブル)が発生しています。これらの全ては命に関わらない軽度な問題であったのは事実ではあります。その上で、どのような手術においてそれが発生したか解析したところ、手術経験の浅い外科医においてその傾向にあったとされました。(実際の手術には指導医が随伴)

手術時間に関しても経験のレベルにより、手術にかかる時間の長さが変わることが報告されています。一方で、経験を経た執刀医では、その手術時間の短縮が可能になることがわかっています。

理解して頂きたいこと

適切なトレーニングと知識の習得を経て、充分な手術経験を得た場合には、腹腔鏡下避妊手術は動物にとって負担の少ない方法になり得ることがわかっています。