動物のためのもう一つの選択肢

負担の少ない手術について知って欲しい

内視鏡手術という選択肢

避妊手術についてこんな心配はありませんか?

手術の痛みが
心配で…
大きな傷口
を見るのが心配…
術後は入院する
のですか?
術後はすぐに
普通に戻れる?
カラーをつけて
帰るのはイヤ…
手術は難しい?
時間がかかる?
 
クウ動物病院動物内視鏡医療センターでは腹腔鏡をはじめとした内視鏡外科手術に対応しています。動物の負担を減らすことの出来る内視鏡(腹腔鏡)を用いた避妊手術について少しでもお伝えしたいと思っております。いくつかのメリット・デメリットがありますのでご紹介します。
心配なことは何でもお尋ね下さい。

内視鏡手術の3つの特徴
(腹腔鏡手術)

① 数㎜の穴から手術をします
”小さな傷口”

3〜5㎜のトロッカーと呼ばれる器具を用いてお腹の中にアプローチし、特殊な手術器具を使って手術をします。避妊手術では通常は3箇所の傷口から手術をすることになります。

② お腹の中はカメラで見ます
”大きく拡大された術野”

体内は専用のスコープ(レンズ)とカメラを入れて観察します。そこに強い光を送って明るく照らします。カメラによって大画面に映し出された体内は何十倍にも拡大されています。

③ 丁寧な手術が必要とされます
”少ないどうぶつの負担”

大きく拡大された臓器は非常に鮮明に確認することが可能になり、そのことによって細かい手術が出来ます。この繊細な手術手技は臓器へのダメージを最小限にすることが出来ます。

 

腹腔鏡手術の8つのエビデンス

獣医医療で報告されているメリット・デメリット
 
ご家族からよくお伺いする内容として、「内視鏡手術は負担が少なくて動物にいいらしいということを聞いたのですが、実際はどうなんでしょうか?」ということがあります。漠然としたイメージは何となくあるけれど実際の所を聞きたいというお話によく遭遇します。
近年では医療領域でも”エビデンス”という言葉が聞かれます。これは”根拠”という意味であり、その治療が良いという理由を意味しています。ここでは現時点で獣医医療で内視鏡を用いた避妊手術(不妊化手術)に関して報告されている研究をもとにご説明します。
 

腹腔鏡手術はトロッカーと呼ばれる器具を通して小さな穴から体内で手術を行います。避妊手術では多くの場合、3つの小さな傷口(3〜5㎜)にて行います。

いくつかの研究において、腹腔鏡で避妊手術を行った場合にはお腹を開けての手術に比べて痛みのスコアが半分程度になると報告されています。

腹腔鏡での避妊手術ではストレスホルモン(コルチゾルや炎症マーカー)や血糖値の上昇が開腹手術に比べて少ないと報告されています。

避妊手術の前後で動物の活動性がどのように変化するか?という研究では、腹腔鏡手術では開腹手術と比べて活動性の低下が押さえられていました。

手術を行うと胃腸の動きが低下します。研究では避妊手術の様な短時間の手術でも胃腸運動の正常化に時間がかかりましが、腹腔鏡手術では3分の1以下の時間で胃腸の動きが戻ったとされています。

手術を行うことによって臓器は少なからずダメージを負うことで癒着と呼ばれる痕跡が残ります。研究では腹腔鏡では開腹に比べて7分の1に減少しました。

小さな傷口で手術を行う腹腔鏡手術では切開する皮膚が少ないために、術部の感染症の発生率が減ることが報告されています。

腹腔鏡手術をはじめとした内視鏡手術は特殊な機材と技術が必要とされます。上記のように動物の負担を軽減することが可能になる手術ではありますが、そのためにクリアすべき課題もあります。

 

飼い主様にご安心して頂くための当院での取り組み

手術室と専用機材

内視鏡手術に対応出来るように考えた手術室を作りました。先端の装置をはじめ、より進んだ外科手術を行える機材を揃えています。また、安全な麻酔を目指した環境を作るようにしております。

執刀医

内視鏡手術のメリットを生かした手術を行うことの出来るよう、今までの経験を生かし、更なる鍛錬を行っています。執刀医は日本獣医内視鏡外科研究会の認定を得るだけではなく、現在では講演を行うなどを通して後進の育成とさらなる経験を広げています。

手術チーム

数百件以上の内視鏡外科手術を共に行ってきた執刀医と助手、チームとで行っています。クウ動物病院グループの多くの獣医師と動物看護師が力を合わせます。

 

動物の負担を減らすために我々にできること。

腹腔鏡をはじめとした内視鏡外科手術は”傷口が小さい”ことがとても大きな特徴です。それによって患者さんの負担の軽減が可能となる”低侵襲”な手術方法です。しかし、”侵襲”と呼ばれる痛みやストレスなどの軽減は傷口が小さいだけで得られる訳ではなく、拡大された体内で丁寧で繊細な手術を行うことによって得られると考えられています。この繊細な手術を可能とするのは鍛錬された技術と経験であると信じています。
我々はこの内視鏡外科手術のメリットを最大限に生かせるように今までの経験を元に、日々の精進を絶やさないように心がけ、患者さんとなる動物の負担を少しでも減らせるような獣医療の実現を目指しています。



クウ動物病院動物内視鏡医療センター
院長 吉田宗則

当院での腹腔鏡下避妊手術について

  1. 不妊化を目的とする手術の場合には日帰り手術が可能です
  2. 手術の適応となる年齢は不妊化の出来る年齢、多くは6ヶ月齢以降より可能です
  3. 手術が可能となる体重はおおよそ2kgぐらいを基準としていますが、体格によって異なります
  4. 術後の傷口を気にする場合には術後服をお勧めしています
  5. 犬および猫のほとんどの患者さんで適応可能です
  6. 陰睾・潜在精巣(睾丸が降りてきていない)の場合では腹腔鏡手術が可能となります
  7. 大型犬では予防的腹腔鏡下胃固定術を行うことも可能です
  8. 安全性の向上や、より負担の少ない手術を常に心がけています

よくある質問

飼い主さんに頂くご質問です

手術後のケアについて

多くの場合、手術当日に退院して頂きます。当日は食欲があるようであればご飯を上げて頂いても構いません。ただし、急激に食べるとお腹の動きが悪い場合がありますのでゆっくりとあげるようにお願いします。
お散歩は当日でも可能ですが、翌日からでもして頂いて大丈夫です。傷口の消毒は必要ありません。おおよそ1週間で抜糸になります。

患者さんの年齢について

患者さんの年齢に制限はありません。健康状態が良好であれば半年齢以上の患者さんで手術が可能です。ただし、高齢の患者さんでは不妊化手術という側面よりも治療としての腹腔鏡下卵巣子宮摘出術となりますので費用体系が異なりますが可能です。年齢によって適応となる術式が卵巣摘出術なのか卵巣子宮摘出術なのかはご相談して決めさせて頂いております。

デメリットになる部分もあります

腹腔鏡手術はメリットだけではなくデメリットも存在します。ひとつは手術には技術と設備が必要なことです。特殊な器具を用いて行う手術には経験と技術が必要になります。当院の執刀医および手術チームでは多くの手術を経験させて頂き、安定した手術を行うことが可能となっています。
もう一つのデメリットとしては専用の設備や器具が必要になってしまうために手術費用が高くなってしまうことです。当院でも努力は行っていますが、飼い主様にもご納得して頂けるように丁寧なご説明を心がけております。

執刀医は院長です

クウ動物病院動物内視鏡医療センターでは腹腔鏡下不妊化手術においても院長が執刀しています。助手としては他の獣医師と一緒に手術をします。日本獣医内視鏡外科研究会技術認定レベル3を取得するなど、日々、安全で負担の少ない手術を心がけています。診察の際にご不安な点はお尋ねください。

術後服をお勧めしています。

手術の傷は小さいですが、動物が本気で傷口を嚙んでしまうと傷が開く可能性があります。もともとの大きさが小さいのであまり大きな問題になることは少ないですが、感染や炎症が起こらないように保護をお願いしています。実際には術後服(エリザベスウェア)を着て帰って頂くことをお勧めしています。術後服に関しては当院にありますので御希望の際はスタッフにお伝え下さい。

手術までの流れ

Step.1 ご来院予約

インターネットもしくは電話にてご予約お願いします。
健康チェックなど、手術が可能な状態か診察で確認させて頂きます。その後、ご予定を確認して手術予定を立てます。

Step.2 血液検査・手術説明

手術2週間以内の検査となります。
健康状態に問題がない場合には手術についてご説明させて頂きます。

Step.3 手術当日

絶食の上、午前中にご来院ください。
手術後、問題がなければその日に退院となります。

当院で行う不妊化手術
(腹腔鏡下手術)

① 腹腔鏡下卵巣摘出術
② 腹腔鏡下卵巣子宮摘出術
③ 腹腔鏡下潜在精巣摘出術

それぞれの特徴
とその適応

各手術の特徴に関しては
獣医師にお尋ね下さい。

初診用問診フォーム

クウ動物病院動物内視鏡医療センターの問診票です。初診の患者さんはご記入頂けますと当日のご案内がスムーズに行えます。
ご予約ではございませんので別途インターネットもしくはお電話でご予約頂けますようにお願い致します。